サマービューティ便り

劇団Nadianneの主宰・役者の北島夏美のブログです。 お芝居のこと、日常のことを書いています。 劇団HPにもぜひ遊びにいらして下さい。

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ウェルズロード12番地に浸る。

今日は青年座
『ウェルズロード12番地』を観てきました!
土田英生さんの作演出ー!


キタジマ、今週は予定つめつめだったのですが、
無理やり時間を作って観てきました。

面白かったです!
クスクス笑って
そして、ちょっと切なかったり
色々考えさせられたり。
土田さんの作品は、やっぱり考えさせられるけど、押し付けられない所が大好き。
出演者みなさん素晴らしかったけど、特に女性キャストの個性が最高でした!
どこかに居そうで、ちょっと変♪


ロンドンに住む日本人たちの話で、
自分の身分を偽って暮らしていたり、
ロンドン暮らしを謳歌しても嫉妬心があったり、
コンプレックスを抱えていたり…
そんな弱いところを持っている、人間らしい人達のお話。


でもどこでも同じなのです。
自分を、本当の自分より大きく見せようとしたり、コンプレックスに感じる事があると、
日本にいてもどこに居ようと同じこと。
場所を変えたって、本人が変わらなければ同じですよね。

劇中で、自分の身分を偽って自慢している役があって、
かわいそうだから触れないであげようとする人と
正面切って嘘を指摘する人がいて
観ていて何だかすっきりしました。
私は前者だから、後者を思いっきり出来る人はすがすがしい(笑)
情け容赦ないけど。


私たちの周りにもいるじゃないですか、昔の自慢ばかりしたり、自分の経歴ややっている事を、大きく話してしまったりする人。

でも、きっとそういうことをしている人たちは、自覚が無いんだろうなと。

ちょっと追求されたらポロっとボロが出そうなことでも、大袈裟に言ったりしてしまうということは、嘘をつこうと思ってはないんじゃないかな。
そういうのは…見ていて痛々しい想いをしてしまうけど、そうやって自分を飾って?繕って?自分はすごいんだって、自信を持たないと、自分を保てない人がいるのではないかなーと、
観劇した後、そんな風に思ってしまいました。
私も知らず知らずのうちにやってないか…我が身を振り返ろう…。


本来のお芝居のテーマは
「人と人、国と国の見えない壁」
だったんだと思います。
上の様な事と、役者さんが魅力的だったな、とか、
これだけの様々な年齢、男女が出るお話を考えた土田さんはやっぱりすごい!
とか、考えながら帰宅しました。

でも、観劇後すぐには、気持ちがすっきりしなくて
あれこれ考えてしまいましたよ。