サマービューティ便り

劇団Nadianneの主宰・役者の北島夏美のブログです。 お芝居のこと、日常のことを書いています。 劇団HPにもぜひ遊びにいらして下さい。

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2021年に読んだ22冊

2021年に読んだ本の感想です。
実は読書の記録は2004年から付けてあります。衝撃で忘れられない内容、何度か読み返しているもの、もう内容は忘れてしまったもの、振り返ると様々ありますね。
ちなみに、2020年に読んだ15冊はこちら↓

sb-natsumi.hatenablog.com

さ!需要ある記事かわかりませんが、行きますよ!

 

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』    若林正恭
お笑い芸人のオードリー若林が、キューバ、モンゴル、アイスランドへ行った話とコロナ禍の現在を書き下ろしたエッセイ。とても面白かった。資本主義と違う中で生きている社会に行って価値観を確認したかった…ともう一つの目的で訪れたキューバ。読んで本当に良かった。現代日本で感じる生きづらさ、成功者やこうでなければならないという姿は、今の資本主義の日本の中で出来ている姿なんだなと再確認。
そんな中で、自分はどう生きていくのかを考えさせられる。
読みやすい上にとても面白い。読んで損なしの一冊。

 

『密やかな結晶』    小川洋子
ファンタジー…ホラー…。存在・記憶を喪失していく島に住む人々の物語。ある時ふと昨日まであったものがわからなくなるという怖さ。そして全部を通してのお話もずっと怖いんだけれど、主人公が物語の中で書いているお話も怖い。怖いけど読んじゃう……。

▼対照的な二冊(両方面白いよ)

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『結局賢く生きるより素直なバカが成功する』    エンリケ
テレビで観たエンリケという人に興味を持って、本屋さんで平積みされていたので読んでみた。
誠実さと機転で成功された方というイメージだった。やはり人を大切にする人は大切にされるんだね。と思ったりした。

 

『冬の光』    篠田節子

町田ルミネの本屋さんで激推しされていたので購入。主人公の父親の死の真相を追いかけていく物語。とても面白く続きが気になる展開だが、ちょっと……後味が悪いというか。まさか女性作とは思わなかった…。

 

『キネマの神様』    原田マハ

主人公は大手シネコンを手掛ける会社から、売れ行きが伸び悩む映画雑誌の会社に勤めることになり、映画好きのお父さんがブロガーになって…というきっかけが面白かった。「ニューシネマパラダイス」は確実に観たくなる(観ました)。
映画化されたけど、ちょっと違う展開なのかな?

 

ゴッホの足跡』    原田マハ
『たゆたえども沈まず』の副読本的読み物。たゆたえども〜を再読したくなります。

 

『暗幕のゲルニカ』    原田マハ
ピカソが生きていた時代と現代(2010年代)を行き来する物語。どちらも女性が主役になっており、非常に面白い。

 

『奇跡の人』    原田マハ
ヘレンケラーとアン先生を題材にして日本に置き換えたお話。とても面白かった。

 

『モネのあしあと』    原田マハ
フランスに行ってモネの家を訪ねてみたいと思った。モネのお庭がモネのインスピレーションを湧きあがらせたんだろうなあ。

▼わかりやすく原田マハさんにハマった年ですね。

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『BUTTER』    柚木麻子
実際にあった事件をモデルにした、ある容疑者をめぐる物語。彼女との関わりが周りの人の人生も変えていく。意外にも人とのつながりを感じる作品。

 

『52ヘルツのくじらたち』    町田その子
家族が購入した本。誰にもヘルプを受け取って貰えなった二人が出会って、生きていく物語。主人公と少年の過去を併行で追っていき、それが気になって気になって、つい一気読みしてしまう面白さだった。壮絶で辛いけど。

『おしゃべりな人見知り』 山本ゆり
山本ゆりさんのエッセイ。前半は声を出して笑ってしまうくらい面白い。後半の子育てやブログ、生き方に関して重すぎずにスタンスを語られていて、良かった。

 

『三島屋変調百物語其七 魂手形』    宮部みゆき
三島屋シリーズの中では比較的、読後がほっこりした。まあ、辛いお話は辛いけど。
3編あるうちの、「魂手形」が良かった。

▼どっちも読む手が止まらないよ!

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宝塚歌劇団経営学』    森下信雄
元宝塚のプロデューサーによる、宝塚がなぜコロナ禍でも人気が衰えないか、の解説書。難しい部分もあったけれど、宝塚とファンとの価値共創、ファンクラブの活用、ロングランしない意味とか…とても興味深く面白かった!為になる〜

 

『こう見えても元タカラジェンヌです』    天真みちる
ネット連載時も一部読んでいたが、さすがだった。さすが、たそ(天真さんのニックネーム)。ありのままの表現、タカラジェンヌも人間なんだなって思える好感しかない一冊。

▼ヅカファンは100%楽しめる^^

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『スモールワールズ』    一穂ミチ
現代に生きる人々の短編集。私的には一話目が…めちゃめちゃ怖かった…。他はほっこりする話や、犯罪の被害者・加害者の交流など、変わってるけど読みやすく面白い本だった。でも2つ、怖い話が怖すぎて…人ってコワイ…と思ってしまった。
苦手なのになぜ怖い話(おばけ的な意味でなく)読んでしまうん…?

 

『30の反撃』    ソン・ウォンビン
さすがの面白さだった。30歳、非正規、夢も失っていき…という生活に投じられる変化。現代の話で非常に現代の若者を繊細にそのまま描いているので辛い部分もあった。

▼「アーモンド」も面白かったソン・ウォンビンさん作品は今後も読みたい。

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『スパイの妻』行成薫
あ、映画になってたやつ~、とコンビニで勢いで買った。とても面白く一気読みしたが、主役夫婦の生き方について色々考えてしまい、読後怖くなっちゃった。(また怖くなっちゃってるじゃん…)

 

『烏百科 ~白百合の章』    阿部智里
八咫烏シリーズの外伝。期待を裏切らない展開(いや、お話的には裏切られてるけども!)、短編集でも惹きつけられます。

『追憶の烏』    阿部智里
『楽園の烏』に至るまでのお話。どうして主人公があのような人物に豹変したのかがわかる一冊。八咫烏シリーズファンには辛い一冊となりました……。

 

▼今後はどうなっていくんだろうね…。

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『オードリー・タンの思考』    近藤弥生子
台湾のデジタル大臣 オードリー・タンについてのインタビュー、ノンフィクション。気になっていたところ、本屋さんで見つけて購入。

彼女の生い立ちだけでなく、実行してきたこと、マインドが、関係者インタビューも交えて描かれている。ソーシャルイノベーションハクティビストオープンソース、お恥ずかしながら初めて知った言葉ばかり。こんな考え方で仕事をしている/生きている人がいることがうらやましく思う。羨ましいだけでなく、自分も動こうと思える一冊。
▼なかなかの読み応え!

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『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド

どこの本屋さんでも見かける大ヒット本。読んだ方も多いのでは?
どれだけ面白いんだろ…と、少し立ち読みしたら、面白かったのでそのまま購入しました。自分の思い違いに気付かされる一冊。何度も読み返したくなる。勉強になります!知識はアップデートしなければならないね…。

 

今年読んだ本の中だと、『スモールワールズ』は誰でも楽しめるお話ではないでしょうか!(一部怖いけど!)
『表参道のセレブ犬と~』、『オードリー・タン~』、『FACTFULNESS』、は読んで良かった、刺激を受けた3冊でした。

私は「知る人ぞ知る!」みたいな本は読んでいませんが、本屋さんに行ってふらっと本を買うのが好きです。
今年も色々な本に出会えますように。