Tabloid Revue『rumor~オルレアンの噂~』を観てきた!
2020年初観劇、赤坂のRED THEATERで『rumor~オルレアンの噂~』を観てきました。
演出家の荻田浩一さん(オギー)が彩乃かなみさん、宇月颯さん(としくん)と一緒にレビューを作ると聞いた時から、
「えっ観た過ぎる…」と思っていたのですが、日程的に迷った挙句、当日引換券(事前に買える当日券で、席はどこになるかはわからない、みたいなチケット)で観に行ってきました。
オギー…大好きなんです。宝塚自体の作品はほとんど拝見していますが、特に『ソロモンの指輪』『バビロン』は何度ビデオ(ビデオかい)を観たかわからない。オギーの作る世界がとても好きで、久しぶりの「レビュー」ということで、とても期待して劇場へ向かいました。
会場で貰える鏡。素敵。
舞台はブティックの装置で下手に大きな試着室があり、上手奥はピアノ演奏の方が一人いらっしゃいます(というのが途中でわかる)。
「ブティックの試着室で人が消える」という噂(1969年のフランス・オルレアンで実際に起きた噂。もちろん事実ではない)から着想された歌とダンスと少しのセリフで構成された舞台。
初めはかなみちゃんが♪私のブティック~と歌い、お客さんのとしくんが出てくる。
もう、かなみちゃんの圧倒的さ。
なんていうのか、美しさ、歌のうまさはもちろんのこと、惹きつけさ?圧倒的な輝きというか、ギラギラした強いものではなくて、劇場全体を包み込むような優しい光を放っている感じがしました。
宝塚時代、何度も何度も見てきたかなみちゃんのいや増す輝きに、冒頭から感動してしまいました。
そして、とにかくとしくんが動いてる…舞台で踊っている…とかそれだけでもものすごく感動して、「きゃわ~!(冒頭でかぶってたベレー帽もお似合い~!)」となっていたら、となりの席のお姉さまも口元を手で抑えて感動されていて「(わかる…わかるよ!感動するよね!)」と思わず心で話しかけてしまいました。
まずい、この観劇記、この調子で読んでくれる人いるかな?(笑)
このプロローグの様なシーンが終わったあとは、ブティックの洋服を飾っていた棚をひっくり返し、壁にして、そこからは、怒涛の歌とダンスの連続。
噂なんて…でもみんな噂好きだよね?みたいな歌から様々な歌、ダンス、ソロ、全員でのダンス、デュエット、メインの出演者は5名で、2名がゲストなのですが、次々変わるシーンを楽しみました。
途中、昭和歌謡みたいなシーンや”AKASAKA歌合戦”など遊びもありました。
としくんはまさかのセーラー服で登場し客席をざわつかせ(笑)「セーラー服と機関銃」を歌い貴重なものを観た体験でした(でもすごく上手いし合ってた!)。
男性陣の中では歌手メイン?だった石川新太さんは、歌もダンスもうまい、そして佇まいもなんだかこなれて居るというか、とっても素敵なんですが、さらにヨーヨーをしたりギターもベースもやって、なんでも出来る方すぎて驚きでした。
歌姫かなみちゃんに負けない堂々とした石川さんがすごい…
かなみちゃんはどのシーンも本当に「歌姫ミホコ様」。それでダンスもバリバリ踊られるんですから、素晴らしかったです。久しぶりに聴いたニケの歌(『A-"R"ex-』より)が懐かしくて…かなみちゃんの持ち味(だと私が勝手に思っている)包容力のある娘役感が出ている歌で、本当にお似合いだなと改めて思いました。「私がそばにいてあげる」という歌詞への納得性。途中でボブヘアからロングヘアへ髪型を変えらえるかなみちゃんのこだわりにも流石!やっぱり好き!
としくんは、久しぶりにバリバリに踊られる姿に見惚れて、女性らしい歌にも聞きほれて、というかもう、居てくださっているだけで尊い…ってなっているファン心理ですよ。(大丈夫?置き去りブログすぎるよ)
全体的にショースター宇月颯大活躍で最高に楽しかったのですが、途中、豪華な緑のドレスで出てきたとしくんが歌いだし…
これは全宇月颯ファンが泣いちゃう『Baddy』のデュエットダンス時の影ソロ曲。
私は途中で気づいて「ひ、ひえ~!!」となりました。心理的には椅子から転げ落ちてた。ここで出てくるとは思わなくて、完全に油断していました。いいもん見せていただいた…オギーに感謝しかないです。
としくんと中川賢さんと身長的にもお似合いで、お二人でのダンスがとても好きでした。
大野幸人さんのソロダンスのシーンがすごすぎて、私の様なダンスの素人が見ても圧巻の身体能力…印象的でした!
久しぶりに拝見したゲストの月影瞳さんは相変わらずお美しく、男役やっていたのでは思えるくらいかっこいい小野妃香里さんも、素敵でした!
さて。
ショーシーンが終わり、舞台は再びブティックへ戻ります。
正直、すっかりショーを楽しんでブティック忘れてた。あ、ブティックに戻して終わるんだなーもうすぐ終演なのね、くらいの感覚でした。
ところが、もう1ストーリーあった…。
彼氏と一緒にブティックにやってくるとしくん。
おもてなしするかなみちゃん。しかし彼氏はかなみちゃんに惹かれてしまい、後日一人でブティックを訪ねてくる。
初めは戸惑うも二人は恋人同士に。彼氏と別れ傷心のとしくん、それに気づいてしまう。
そしてブティックに関する噂が街に流れる。
あのブティックの試着室で若い女性が消えるらしい、
なぜ?
売り飛ばされているらしい
えー?
といった録音された声。
どうして?本当?
という問いに対してとしくんの口から
「だってあの店の店主はユダヤ人だもの。」
静まり返る舞台。
始まる店への嫌がらせ、投石、かなみちゃんは恋人に守られ、逃げていきます。(といった様な描写)
頭から冷たい水をかけられたような、しんと気持ちが冷えるような。
まさかこんな展開が待っているとは思わず。
噂が生む悲劇。
現代に、今の日本にオギーが投げかけるこのレビュー。
頭と心がいっぱいになりながら、劇場を後にしました。
年明け一発目、本当に良い舞台を観られました。
パンフレット買って帰りました。
シックで素敵。